第111回薬剤師国家試験の動向と新卒採用戦略:減少する母集団と試験内容の変化について
2026年度(令和8年度)の第111回薬剤師国家試験が目前に迫っています。採用担当者の皆様にとって、新卒薬剤師の確保は年々難易度を増していますが、今回の試験動向からはさらなる母集団の減少と、選考基準に影響し得る出題傾向の変化が読み取れます。
試験の最新日程と受験者予測、そして今後の採用市場で勝ち抜くためのポイントを解説します。
1. 第111回薬剤師国家試験の実施概要
厚生労働省より発表されている、2026年実施の試験日程および概要は以下の通りです。
・試験実施日: 2026年(令和8年)2月21日(土)、2月22日(日)の2日間
・出願期間: 2026年1月5日(月)から1月15日(木)まで
・試験会場: 全国9都道府県(北海道、宮城、東京、石川、愛知、大阪、広島、徳島、福岡)など
・合格発表日: 2026年(令和8年)3月25日(水)午後2時頃
合格発表は厚生労働省の公式サイトにて、受験地ごとの受験番号一覧の形式で発表される予定です。合格者には合格証書が郵送されます。
2. 受験者数と合格者数の予測:進む母集団の減少
今回の試験では、例年と比較して受験者数の減少が顕著になる見込みです。


・受験者数の動向: 毎年この時期の受験予定者数は14,825名程度ですが、当日はそこから150から160名ほど減少する傾向にあります。前回の実績が13,310名であったことを踏まえると、試験日当日までにさらなる減少が進み、およそ13,200名程度の受験者数になると想定されます。
・合格者数の推移: 仮に合格ボーダーラインが前回同様の213点となった場合、合格者数は9,100名前後になると予測されます。これは昨年の実績よりも60名ほど少なくなる計算であり、企業が採用できる新卒薬剤師の母集団そのものが縮小している現実を示しています。 また前回は過去10年で薬剤師国家試験合格をした男性が最小だったデータ(女性は例年通り)というデータもあるので、今回はどういう形になるのかもポイントになってきます。
3. 試験内容の変化:思考力と臨床判断の重視
医師や看護師の国家試験において、新たな出題形式が段階的に導入されています。この流れは薬剤師国家試験にも波及することが予想されます。
・臨床的判断の追求: 過去問の暗記だけでなく、思考力や臨床的判断を問う問題が増える傾向にあります。
・2029年度(令和11年度)の大幅改訂: 第115回薬剤師国家試験から、試験科目が従来の7科目から5科目へ再編され、より臨床・実践重視の試験へと大幅に変わります。改訂コア・カリキュラムに基づき、知識の単純な暗記ではなく、領域横断的な統合力が問われるようになります。第111回以降の試験も、この大変革に向けて少しずつ傾向がシフトしていく可能性があります。
4. 企業が取り組むべき新卒採用の最適化
母集団が減少し、試験の難化が予想される中で、企業はどう動くべきでしょうか。
・内定承諾者の早期確保とフォロー: 国家試験後に就職活動を始める層は年々減少しています。いかに試験前に内定承諾者を増やし、試験勉強に集中できる環境をサポートしながら、入社への意欲を維持させるかが重要です。
・採用機会の創出: 新卒薬剤師が減少する中で、限られた人材をどう確保するか。事前のインターンシップや早期のコンタクトを通じて、学生との接点をいかに太く持てるかが、最終的な採用成功率を左右します。
総評:採用競争を勝ち抜くための視点
第111回国家試験の合格者予測が9,100名前後となる中で、従来通りの採用手法では目標人数の確保は困難です。試験内容の変化や母集団の減少という客観的な事実を受け止め、学生が抱える不安に寄り添った柔軟な採用戦略が求められています。
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