【中医協まとめ】2026年診療報酬改定に向けて、薬剤師の採用戦略はどう変わる?

~薬局・病院の「薬剤師確保」は制度的な課題に~

2024年6月25日に開催された中医協(中央社会保険医療協議会)では、次期診療報酬改定に向けて「薬剤師の確保と偏在対策」が大きなテーマとして取り上げられました。

薬局経営者・採用担当者にとっては、診療報酬改定と薬剤師採用がより密接に結びつく時代の到来を感じさせる内容となっています。

本記事では、中医協のまとめと第8次医療計画の方向性をふまえ、今後の薬学生採用・薬剤師採用における制度的な示唆と対応策を整理します。


✅ 薬局数・薬剤師数は増加も、偏在の解消が課題に

  • 令和5年度の薬局数は62,828施設と増加傾向
  • 薬剤師総数は253,198人(2022年)で、うち75%が薬局勤務
  • 一方で、病院薬剤師数は横ばいで新卒では入社しても、3年~5年で離職している状況
  • 都市部集中・地方減少など、地域偏在の是正が急務

薬剤師の採用環境は年々厳しさを増しており、「採用しても定着しない」「地方で人材が集まらない」という声も多く聞かれます。


📌 医療計画にも「薬剤師確保」が明記される時代へ

2024年度からスタートした「第8次医療計画」では、初めて薬剤師確保に関する目標が盛り込まれました。

  • 各都道府県に薬剤師確保の数値目標が設定
  • 偏在指標を用いた分析がスタート
  • 地方薬局における奨学金・修学資金貸与制度の活用が推進
  • 薬局機能の整理(地域拠点薬局/個別機能薬局)による役割明確化

💡 見えてきた診療報酬改定の方向性

中医協での議論から、次期診療報酬改定では以下のような方向が見込まれます。

改定の方向性想定される評価内容
地域偏在の是正地方勤務薬剤師への加算評価、偏在指標に基づく加算制度
病院薬剤師の役割拡大病棟常駐・ICT連携・チーム医療への新設加算
在宅医療体制の強化薬剤管理指導・訪問回数・地域貢献に応じた段階評価
薬局機能の差別化評価地域薬局・健康サポート薬局の認定による報酬加算強化

診療報酬改定が薬剤師の配置や採用方針にまで直接影響する時代に入りつつあります。


📍 採用担当者が考えるべき実務対応ポイント

☑ 病院薬剤師確保に向けた点数増加と行政支援強化

  • 病院薬剤師確保に向けて薬局よりも報酬改定では+改定になり評価対象が広がる可能性
  • 【参考】福井県の「薬剤師確保修学資金貸与事業」では、地域勤務を前提とした奨学金を支給
     👉福井県制度PDFはこちら

☑ 在宅医療への対応=体制整備と人材確保

  • 在宅件数や指導実績が診療報酬により反映される可能性大
  • 在宅に対応できる薬剤師・事務体制の構築が差別化に直結

☑ 地方偏在是正に向けた薬学生採用の重要性

  • 奨学金制度を用いた地方就職希望の薬学生への支援が拡大
  • 行政連携(主催)による薬学生インターンシップ・薬局見学・職場体験も新たな導線になる可能性

☑ 地方奨学金制度の補助拡大に注目

  • 今後、都道府県レベルでの企業連携型奨学金制度の整備が進む可能性あり
  • 早期接点→奨学金導入→卒業後の就職までを一体的に設計する企業が増加中

✏️ まとめ|薬剤師採用と制度対応は「今」が分岐点

2024年の中医協では、「薬剤師の採用・配置」が制度的な観点から正式に評価対象となる方針が示されました。

診療報酬改定を見据えて、採用現場でも次の準備が必要です!

  • 病院・在宅を意識した機能的な薬剤師像の設計
  • 地方偏在に配慮した奨学金・支援制度の活用
  • 行政や大学との連携強化による母集団形成の前倒し

採用は、制度と切り離せない時代に入りました。今後の薬剤師採用戦略を見直すタイミングとして、ぜひご活用ください。


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