薬剤師1年目の転職希望が増加中?第二新卒採用を成功させるために知っておくべきこと

近年、薬剤師の採用活動において「第二新卒(新卒1~2年以内の離職者)」を対象とした中途採用ニーズが高まっています。特に、1年目で早期離職を検討する若手薬剤師が増えているという現状に対して、企業側の採用体制やフォロー施策を再設計する必要が出てきました。
ある薬剤師向け人材紹介会社様のお話では、毎年130~140%増で新卒1年目薬剤師さんの登録が増えてきているとの事でした!理由は様々ではありますが、転職が当たり前の時代に入ってきて、様々な部分にアンテナを張る必要性が高まってきました。
なぜ薬剤師1年目で転職希望が増えているのか?
新卒薬剤師が1年目で離職を検討する背景には、以下のような要因があります。
- 人間関係や職場の雰囲気が合わない
- 教育体制の不備や孤独感
- 長時間労働や休みにくい雰囲気
- 業務内容と志望動機とのギャップ
- 給与や待遇面での不満
- 勤務地のミスマッチや異動頻度へのストレス
特に入社前の「想像」と、実際の「リアル」のギャップに悩む若手薬剤師は多く、現場でのサポート不足や孤立感が離職理由になりがちです。
業種別:1年目での転職理由はここがリアル
職場によって、1年目の薬剤師が感じる転職のきっかけには明確な傾向があります。第二新卒採用を成功させるには、こうした現場のリアルを理解することが不可欠です。
調剤薬局の場合
- 「全国職で入ったけれど、想像以上に地方勤務がつらい…」
- 「働きたい場所じゃない…」
- 「想像していた薬局での働き方と違う…」
勤務地のギャップが想像以上に大きく、「このまま数年過ごすのは違う」と感じてしまう方が多く、地元志向や転居ストレスが離職理由に直結します。
ドラッグストア(OTC+調剤)
- 「毎日同じことの繰り返しで、医療人としてのやりがいを感じられない」
- 「頻繁な異動や応援に振り回される」
調剤+OTC業務がルーティン化しやすく、さらに生活リズムの不安定さやシフトの過酷さがストレス要因となりがちです。
病院薬剤師
- 「病院ならではの学びがあると思ったのに…」
実際には研修制度が整っていない病院も多く、教育面での失望や閉鎖的な人間関係に悩む声が多く聞かれます。また異動が少ない分、合わない上司・同僚との関係が継続してしまうのも病院特有の問題です。
企業薬剤師
- 「やっぱり患者さんと関わる臨床の仕事をやっていきたい」
- 「想像していた仕事内容と違った」
新卒で企業に就職したものの、実際の業務内容や企業文化とのミスマッチを感じ、再び医療現場に戻りたいと考える方も一定数います。
第二新卒薬剤師を採用するメリット
第二新卒層の中には、「1年目で気づいた価値観の変化」や「本当に働きたい環境」を見つけたうえで転職を決意している人材が多く、戦力化のポテンシャルも高いです。
・教育済みスキルの再活用が可能
・柔軟性があり、組織文化になじみやすい
・長期就業意欲の高い層も存在する
薬局や病院側が「育成意欲を持って受け入れる姿勢」を示せば、ミスマッチで辞めた若手人材が“最もフィットする即戦力”に生まれ変わる可能性を秘めています。
採用担当者が押さえるべき「募集時・定着時」のポイント
【募集時】
- 勤務地・業務内容を明確に提示し、誤解を防ぐ
- キャリアパスや研修制度を可視化して安心感を与える
- SNS・ブログなどで教育担当や若手社員の声を発信する
【定着支援施策】
- 月1回の人事フォロー面談を実施し、悩みや不安を可視化
- 先輩社員との定期懇親会や交流機会の提供
- 業務内容や役割の変更など、柔軟な調整
まとめ:第二新卒薬剤師採用は、戦略とフォロー体制が鍵
薬剤師採用が年々難化する中で、第二新卒をいかに活用するかは採用戦略の分水嶺です。
- 新卒採用で定員未達となった企業
- 地域密着の薬局・病院を希望する人材を求める法人
- 教育体制に自信があり、早期戦力化できる環境がある組織
こうした企業こそ、今すぐ第二新卒・1年目離職者向けの採用施策を再構築するタイミングです。
薬剤師採用・第二新卒向け採用のご相談はROPまで
ROP株式会社では、薬剤師・薬学生の採用広報支援、求人広告戦略、LINEやInstagramを活用した定着支援まで、一貫したコンサルティングを提供しています。
関連リンクはこちら
【薬剤師採用支援】中途薬剤師の転職活動が活発になってきています
→ 中途薬剤師の転職動向を整理した記事です。転職希望がどのように増えているか、採用側としてどのような対応が効果的かを解説しています。
【最新版】薬学生が就職先に求める条件とは?2025卒・2026卒データで見るトレンド
→ 2025卒・2026卒の薬学生が「就職先に何を求めているか」をデータで可視化した記事。「薬学生就活」「薬学生 採用」の観点でも非常に参考になります。